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<STORY>
北陸の貧しい寺の息子として生まれ、陰鬱な風土と人間関係の中で、吃音に劣等感を持って、戦時下に抑圧された少年期を過ごした溝口吾市。
暗く屈折した青年となった彼は、住み込みの僧となるが、この汚いものだらけの世の中で変わらないものはしゅう閣寺だけとして、しゅう閣寺に強い執着を持ち続けた。やがて信頼を寄せていた寺の老師にまで否定された彼は、「自分を分かってくれる人はこの世にはいない。自分がやるべきことは一つ。」としゅう閣寺に火をつけるのであった…。
<POINT>
これは三島由紀夫が書いた「金閣寺」を映画化したもの。
1950年に実際に起こった金閣寺放火事件を取材して書いた作品だが、映画の冒頭でフィクションと注意書きしている。
劣等感と人間不信に陥ったいじけた暗い青年を、市川雷蔵が見事に演じている。娼婦役の中村玉緒の演技もまあ良かったが、足に障害を持つ男を演じた仲代達也の演技は少しくどい感じがした。
市川崑がこの実際の事件の犯人の生い立ちから浮かび上がらせた人間像をはっきりと描いている。が、ラストシーンのカットはなにか物足りない気がした。
そして寺が燃えているシーンに金箔を使う、宮川一夫が考え出したアイデアなども面白く観た。
1958年 日本。
脚本:和田夏十、長谷部慶次
監督:市川崑
撮影:宮川一夫
原作:三島由紀夫
出演者:市川雷蔵、中村鴈治郎、仲代達矢、中村玉緒
モノクロ
シネ・ヌーヴォにて
観賞日:2000.8.5
★★★★★★★☆☆☆ |